ある時から気が付くと月に必ず来る生理がおくれており、もしかしてと思い産婦人科へ行きました。病院から1週間後など、定期的に検診をお願いされて、妊娠が発覚してからこまめに婦人科に通院していました。肌荒れや気持ち悪さや体調不良の波があったものの、ある時期からその改善を感じたため、まさかと思ったものの、二度に渡る経過観察により流産していると確定しました。係留物がまだ子宮に残っているので、それを掻き出す手術をしなければならなくなりました。
大変お気の毒ですが、子宮の掻把手術をしましょう、と端的に話されました。詳しくは自分でネットを使って調べました。事前に血液検査と尿検査、エコーをやったけれども残念ですが、流産しているということで、1泊2日の入院手術に決定しました。手術に関する全身麻酔や、処置後の通院の手順などが書かれた書類を渡されました。
予約当日、初産で産道が狭いために、子宮口を広げる処置をしました。受付をすませ専用の衣服に着替えをしました。通常の検診や診察をする場所に案内され、血圧計、点滴とそのための注射カテーテルをしました。水分を含んだら徐々に広がるという器具を挿入するために検査台に乗り、患部をよく見るための装置の設置や洗浄をされ、処置をしたあと、そのまま病棟に移動して入院の流れとなりました。
手術前の子宮口を広げる処置で、ぜんぜん痛くないから力を抜くように何度も言われたのですが、ものすごく痛みがありました。器具の処置をしているときに自分でも見たことがないような数値の血圧の上がり方をしていたので驚きました。今までしたことのないような叫び声を何度も痛い痛いとあげている自分自身に、どこか遠くで私はこんなふうに叫ぶこともあるのだ、と冷静に驚愕している自分もいて、最中なのに客観的視点ができるものなのかと思いました。
終わったあとも体験したことのないずきずきとした痛みや、他人の会話があまりにも耳障りで、こんなにも余裕がないのかと感じました。こんなにつらいのだからもう大丈夫だろうと考えていたのに、思ったほど子宮口が広がっていなかったからと手術当日の朝さらに器具を挿入されてまだやるのかと驚愕しました。
全身麻酔をやることが初めてだったのですが、終わった後よく寝たとかいう時間間隔が全くなく、覚醒した瞬間になぜか時計の針が進んでいて驚きました。目が覚めてもうつらうつらと眠気が襲い、はっきり目が覚めるまでに時間がかかりました。
ピーナッツの入っているものを食べたり、においをかぐと気持ち悪くなってしまう体質を持っており、そのことを伝えると、書面でのやり取りで終わりでなく、わざわざ病室まで調理責任者がヒアリングにきたのでここまでするのかと感動しました。出てきた食事は味が薄めで健康的ではあるものの、品数も多く思っていたよりもゴージャスで感動しました。数年後に無事に出産もしたのですが、やっぱり同じように立派な食事が出たので、出産後は体力を消耗するので、そういうものだと感じました。
点滴や処置をして入院着を着ている状態だったので、お手洗いに行くことや座る、しゃがむ、寝転がるといったひとつひとつの動作が痛みや制限があったのが大変でした。特に見舞いや付き添いといった人がいなかったので、このままで大丈夫なのだろうかと漠然とした恐怖がありました。
たまたま同じ病室になった隣の方が、当日ベッドに寝ており病状により点滴のみで入院している様子でした。かわるがわるお見舞いの人物が現れて話をしていったので、入院となるとそんなに皆が心配したり応援をしたり物を届けたりするために集まってくるものなのなのかと、人情的なものを感じました。